2005年の9月にブラザーの複合機MFC-425CNを買って、それからだいたい1年に1回くらいのペースで故障に見舞われています。また先日故障したので、いつ頃故障していたか調べてみました。
ブラザー複合機 MFC-425CN
2005年9月19日頃 購入
2006年10月28日頃 故障(無償交換)
2007年10月18日頃 故障(無償交換)
2009年1月20日頃 故障(有償交換:12600円)
2009年10月28日 故障(いよいよ乗り換えるか…)
故障のことは、だいたいmixi日記に書いていました。自分のmixi日記は検索できないので、Googleデスクトップを使って検索。Googleデスクトップはこういうときに便利ですね。
だいたい故障の原因は同じような感じで、ファームウェアに問題があり、エラーメッセージが出るようになってしまうというようなもの。
今回だとこんな感じ。
「クリーニングデキマセン エラーNo.46」というメッセージは、クリーニング時に排出される廃インクを吸収する [廃インク吸収パッド] のインク吸収量が限界に達すると表示されるメッセージです。 このメッセージが表示された場合は、廃インク吸収パッドの交換が必要です。
ただし、このたび、廃インク吸収パッドのインク吸収量が限界に達する前に、このメッセージが表示される場合があることが判明しました。
毎回新品と交換していたので、現在使っているものもまだぴかぴかで新しいのだけれど、これだけ故障すると、もはや限界。というか、前回の時点でお金出して交換しないで、新しいのを買えばよかったんだよな。
見た目はまだ新しい機械を捨てるのはちょっと忍びないんですけどね。また高いお金を払って昔の製品と交換するのも馬鹿らしいので、新製品を近々買いたいと思います。
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グリーン・ニューディール―環境投資は世界経済を救えるか (生活人新書) 日本放送出版協会 2009-06 by G-Tools |
この本は、NHKで特集番組をやったときのまとめというか、番組で放送し切れなかったものを書籍化したもの。番組自体は2009年3月19日に「環境で不況を吹き飛ばせるか~グリーンニューディールの挑戦~」というタイトルで放送されたそうです。それで6月には新書にして本を出しちゃうのだから、なかなかのスピードですね。NHKのスタッフの間にも、一刻でも早く伝えたいという気持ちが強かったのではないでしょうか。
前半がアメリカで今、オバマ大統領のもとすごい勢いで進んでいるグリーン・エコノミー(オバマは公式の場でグリーン・ニューディールという言葉を使ったことはないそうです)のレポート。そして後半が、世界最先端の技術を持ちながら、政策が中途半端なために遅々として進まない日本の環境対策の実情の紹介となっています。
グリーン・エコノミーの中心となるのは太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーと、電気自動車やハイブリッドカーなどのいわゆるエコカーです。しかし、太陽光や風力による発電では、やはり自然の力任せなので安定した電力にはなりえないという意見が多いですし、僕も再生可能エネルギーで火力発電や原子力発電を単純に置き換えるのはとても難しいと思っていました。
けれども、この本を読んで再生可能エネルギーを中心とした未来の社会の在り方がだんだん見えてきました。ポイントとなるのは、スマートグリッドと電気自動車です。
スマートグリッドとはAll Aboutでの説明によると、以下のようなもの。
日米で注目を集める、スマートグリッドとは – [よくわかる経済]All About
スマートグリッドとは、「スマート(賢い)」な「グリッド(電力網)」のことです。コンピューターとインターネットを駆使して、電力の需要と供給をきめ細かく自動調整します。
発電事業者(発電施設)-送電-変電-電力使用者(企業・工場・一般家庭など)で生ずる課題解決を目指す考え方です。通信・IT技術を積極的に活用する点が特徴。電気機器などに関する情報の通信や制御を行い、電力の利用を最適化しようとする構想です。
原発のような大規模集中型の発電施設でどーんと発電して電力を供給するだけなら、スマートグリッドは必要ないかもしれませんが、小規模分散型の再生可能エネルギーによる発電が増え、無駄なく効率よくエネルギーを使えるようにするならば、スマートグリッドは必須になるでしょう。
そして、再生可能エネルギーによる電気を無駄なく使おうとすれば、電気を貯めておけるようにする必要がでてきます。その蓄電に電気自動車のリチウムイオン電池を使うようにし、さらには貯めた電気を送電線に戻して使う。そんなシステムが構想されていて、それに向けた実験が日本でも進められているとのこと。
太陽光発電、風力発電は技術的にも十分実用で使えるレベルであり、市場が大きくなって大量生産されればもっとコストも下がるでしょう。電気自動車も三菱自動車がi-MiEVを売り出し、他社もこの動きにどんどん追随してくるはずです。そしてスマートグリッドについても、ITの世界は技術革新が早いですし、GoogleやIBMといったIT界の巨人からベンチャーに至るまで参入してきており、実用レベルはそう遠くない話だと思います。
そうすると、あとは社会インフラや法の整備などの政策面での取り組みが重要になってきます。また、こうした分散型エネルギー社会の実現のためには、電力会社がそうした方向に行くように政策的に仕向けなくてはなりません。今の電力会社にとっては、がんがん無駄に電力を消費してくれた方が儲かるわけで、再生可能エネルギーが増えるのは疎ましいことであり、さらにスマートグリッドなどけしからんものだからです。
社会のリーダー層がこういう未来のビジョンを共有して、それに向かって進もうとなってくれればいいのですけれどね。今までの認識のままでは追いつけないでしょう。インターネットの進展と同じように、現実の方がどんどん先に進んでいくような気がします。民主党への政権交代は、グリーン・エコノミーの進展ということではプラスになるのではないかと思いますが、ぜひしっかりやってもらいたいところです。
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ブレア時代のイギリス (岩波新書 新赤版 (979)) 岩波書店 2005-11 by G-Tools |
先日、イギリスのサードセクターの話を聴いて、ブレア政権での改革について関心を持ったので読んでみました。また、「小さな政府」とか「大きな政府」という言葉をよく聞くものの今ひとつわからなかったのが、この本を読んで若干具体的なイメージをつかめたように思います。
1997年にブレア政権が生まれるまでのイギリスの状況を本書をもとに振り返ってみると、戦後のイギリスは「ゆりかごから墓場まで」のスローガンに表される福祉国家体制が取られ、これは労働党だけではなく保守党政権時代にも受け継がれました。しかしながら、70年代のオイルショック以降、イギリス経済は深刻な危機に陥り、財政赤字も増大し、福祉国家を維持することはもはや困難でした。
そこで1979年にサッチャー率いる保守党政権が誕生し、新自由主義を掲げて民営化、規制緩和、減税を基調とした改革を行います。こうした「小さな政府」路線の改革によってイギリス経済の衰退は食い止められ、サッチャー政権は長期政権となり、次のメージャー政権まで保守党政権が続きました。しかし、小さな政府路線が続き、公共サービスが切り詰められることで、イギリスでは教育や医療、福祉などが荒廃し、若年層の失業問題も深刻化していきました。
こうして小さな政府路線の弊害が大きくなったところで、ブレアが率いる労働党が政権を奪還し、「第三の道」路線を進めます。前のブログ記事にも書きましたが、サッチャー流の市場原理主義でも、ゆりかごから墓場までの大きな政府でもなく、「市場の効率性を重視しつつも国家の補完による公正の確保を指向する」という路線です。
そして公共サービスに対しては、国が弱者を手当てする「依存型福祉」ではなく、社会参加への動機付けを支援する「自立型福祉」をめざすという方針で臨むようになります。
具体的な政策の例として、若年層への就労支援を見ると次のような特徴があるとのこと。
こうした政策は若者の失業問題に効果を与えたようで、その他の医療や子育て支援など公共サービスが低下していた分野でも、第三の道路線での政策転換によりだいぶ改善されたようです。
もちろん、第三の道にも左右両派から批判はたくさんあるようで、また第三の道路線で貧困や格差の拡大などの問題も解決していないということもあります。それから、最近では「第三の道」という言葉自体が今ではあまり使われなくなっているようですし、これもすでに死語なのかもしれません。
しかし、議院内閣制で二大政党制となった日本においては、イギリス政治はとても参考になる面が多いように思います。小さな政府を志向した小泉改革の負の面が、格差や貧困といった問題に現れてきていると言われていますが、こうした問題にどう対応するか。
また、「小さな政府」「大きな政府」という言葉も、人によって捉え方が微妙に違っていて、マジックワードになっている感じがします。小さい政府とは、規制緩和か、公務員の数を減らすことか、官業を民業に移すことか、脱官僚支配なのか。文脈によって都合よく使われているように感じてなりません。それから、「小さな政府」「大きな政府」論は、市場と政府との関係だけで論じられていることが多いようですが、市民社会と政府との関係、つまり市民的自治(地方分権なども含む)の大きさということからも論じられるべきなのではないかと思います。
政治家や評論家の人たちには、「小さな政府」「大きな政府」という言葉をもっと具体的な言葉に置き換えて論じてほしいですね。
先日、英国サードセクター経営者協会(ACEVO)のCEOのスティーブン・バブ氏のお話を聴いてきました。
サードセクターと言っても、日本でこれまで使われてきた第3セクター(国や自治体と民間が合同で出資・経営する企業)とは意味合いが違います。ここでのサードセクターは、行政セクター、企業セクターと並ぶ3番目のセクターとしての市民セクターとして、具体的には特定非営利活動法人や社団・財団、社会福祉法人、協同組合、学校法人、宗教法人、社会的企業などを含めた、社会的課題の解決を目的とする組織群を指します。
さて、バブ氏によると、イギリスではブレア政権下でNPOが発展したそうで、公共サービスの担い手としてNPOがしっかり位置づけられたとのこと。あまりイギリス政治のことなど詳しくなかったので、家に帰ってからネットで少し調べてみました。
イギリスではサッチャー、メージャーの保守党政権下で小さな政府・構造改革路線が進められ、その一方でイギリスでも格差が深刻な問題となったようです。
そこで1997年に登場したのがブレアによる第三の道路線。これは、サッチャー流の市場原理主義でも、ゆりかごから墓場までの大きな政府でもなく、「市場の効率性を重視しつつも国家の補完による公正の確保を指向する」新しい道ということで第三の道。
サッチャー時代には公共サービスにも競争原理がどんどん持ち込まれたわけですが、ブレアは公共サービスの担い手として民間非営利セクター(=NPO)との連携をはかるようになります。国が弱者を手当てする「依存型福祉」よりも、社会参加への動機付けを支援する「自立型福祉」をめざしたとのこと。
日本でも格差の拡大を受け、先の衆議院選挙では与野党双方から小泉構造改革路線への批判の大合唱が起きました。小泉内閣の閣僚だった麻生さんが「行き過ぎた市場原理主義からの決別」というようなことを言うくらいです。まー、自民党も構造改革に乗り気じゃない人がもともといっぱいいたんでしょうけれど。
そして、総選挙の結果、民主党の圧勝。民主党政権の誕生が秒読みとなっています。しかし、民主党は小泉改革を批判していたけど、それでどういう方向にこの国の社会を持っていこうとしているのかが自分にはまだよくわかりません。岩手県知事の達増さん(民主党)は、「民主党は第三の道を目指す」というようなことを新聞のインタビューで答えていましたが、達増さん以外の民主党の人が第三の道とか言っているのをこの選挙期間中耳にしませんでしたし、小さな政府とも大きな政府とも聞きません。
小さな政府でも大きな政府でもなさそうだけど、かといって第三の道でもなさそうってところ? 政治は専門じゃないのでよくわかりません。どうなんでしょう。
民主党の政策indexでは、「NPO活動の促進・支援税制」ということが書いてありました。しかしながら、広義のNPO(サードセクター)に対して民主党が明確なビジョンを持ってるようには今のところ見えません。むしろ、日本のサードセクター側が社会づくりについてどういう意思を持ち、何ができるかを、新政権に対して示していかないといけないんでしょうね。
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ブレア時代のイギリス (岩波新書 新赤版 (979)) 岩波書店 2005-11 by G-Tools |
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第三の道―効率と公正の新たな同盟 Anthony Giddens 日本経済新聞社 1999-10 by G-Tools |
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ドイツ 人が主役のまちづくり ― ボランティア大国を支える市民活動 学芸出版社 2007-04 by G-Tools |
前のエントリで取り上げた『環境先進国ドイツの今』の続編に当たる本。サブタイトルは「ボランティア大国を支える市民活動」となっており、前作同様ドイツ南西部の都市カールスルーエやその周辺での事例を取り上げて、ドイツにおける市民活動や、子育て・青少年対策、社会福祉、まちづくりなどの紹介をしています。
日本では1998年に特定非営利活動促進法が施行されて、公益的な活動をしたい人たちは仲間を10人以上集めて一定の要件を満たせば、特定非営利活動法人をつくることができるようになりました。ドイツの場合は、7人以上集まって要件を満たせば市民協会(Eingetrangene Verein : e.V.)というものをつくることができ、これは必ずしも公益目的でなくてよくて、むしろ「趣味や興味を共有する人々の活動の場」の性格が強いようです。例えば「ウサギの愛好者協会」みたいなものもあるみたい。もちろん日本と同様、法律に則った協会をつくるまでに至らず、任意団体として活動するケースも多いようです。
市民協会は、ドイツで政治的な集まりが禁止されていた19世紀半ばにスポーツクラブの名目で結成された政治結社がその始まりだったそうで、制度としての歴史は日本に比べてずっと古いようです。
さて、ドイツでも日本と同じく自治体の財政難という問題があり、公共サービスを民間が担うケースも増えているようです。行政と市民協会との協働事業も多いようで、そうした例として、市の委託で環境アドバイザー業務をしている環境団体や、動物園でのガイド・ボランティア(子ども向けの環境教育などをする)の団体などが取り上げられていました。
市民協会が行政の協力も得てなかなかおもしろいことをやってるなーと思ったのは、高齢者自らが共同住宅をつくった例。高齢者が、「個人の自由を保ちながら、必要な部分でお互いが助け合い、できる限り少ない経済負担で暮らせる高齢者用の共同住宅」をつくろうと市民協会を立ち上げ、高齢者向けアパートの建設を実現させました。
これは、市からは安く市有地を貸してもらい、市民協会と契約した一般投資家(家主)がアパートを建設し、協会がアパートをまとめて借り上げて会員に貸すという仕組み。市としては、市のお金で高齢者向け施設をつくらずに済み、市民協会もアパートの建設資金がなくて済みます。また、ドイツでは不動産屋ではなく家主自らがアパート経営をするのが一般的だそうで、その仕事を市民協会に任せられるのがメリットだとのこと。お金がなくてもアパート建てちゃうってすごいですね。日本でも似たような方式でエコアパート建てちゃうとかできないだろうか。
この本を読んでみて、また、自分自身のドイツ滞在体験を振り返ってみて、やはり日本よりもドイツの方が市民活動が社会に根付いているなーと感じました。ドイツでもまだまだな部分はたくさんあるでしょうけど、学べることもたくさんありそうです。市民の自主性を生かすような社会の仕組み・基盤を整え、日本でも市民活動や、行政への市民参加が活発になるようにしていかないといけないですね。
関連記事:
⇒ 環境先進国ドイツの今(松田雅央)
⇒ ここが違う、ドイツの環境政策(今泉みね子)
⇒ ボランティア もうひとつの情報社会(金子郁容)
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環境先進国ドイツの今―緑とトラムの街カールスルーエから 学芸出版社 2004-12 by G-Tools |
著者はドイツ南西部カールスルーエ在住の環境ジャーナリスト。副題が「緑とトラムの街カールスルーエから」となっていて、カールスルーエに住む人々や市当局の環境への取り組み・実情が紹介されています。
カールスルーエは人口が約28万人で、お城を中心に道路が放射状に延びている街。最高裁判所や憲法裁判所もあります。自分も10年ほど前にドイツに1年間滞在していたことがありますが、帰国直前にこのカールスルーエで皆既日食を見ました。
さて、本書で取り上げられているのはビオトープ、クラインガルテンといった街の緑化や、トラム、カーシェアリングなど都市交通、そしてごみのリサイクル、自然エネルギー等の話題です。ひとつひとつを見れば、日本でも先進事例として取り組まれているものもあるし、そういう意味ではそれほど目新しさはないかもしれません。しかし、これらが一つの町の中で普通に行われているというのがやはりすごいですね。自治体や市民レベルでも、やろうと思えばかなりのことができることを示しているし、まちづくりの中に環境の視点が入っていることでより成果を挙げているように思います。
日本とドイツとでは社会環境も違うので、ドイツでやっていることをそのまま日本でというわけにもいかない場合も多いですが、本書でも紹介されていた生ごみのバイオマス利用は日本でももっとできるんじゃないのかな。
環境先進国ドイツとは言っても、ひとりひとりの環境意識が高いというわけではありません。むしろ、社会の仕組みが環境負荷が低くなるようになっているというのが、実際にドイツにいたときの実感です。
未来の技術開発や精神主義的道徳論に頼るのではなく、今ある技術や方法でできることについて、社会の仕組みとして実現していくということをもっとドイツから学べるように思いました。
関連記事
2009年9月3日に開設したVANILLACHIPSもいつの間にか7年目に突入してました。大事な記念日を忘れてしまうとは…。ちなみに今年は自分の誕生日も、気づくのに時間がかかりました(一応、当日内には気づきましたが)。記念日はカレンダーに書き込んでおいた方がいいみたいですね。
最近少し、ブログで変えたところがあって、それはどこかというと短縮表記(簡易表記)をやめたこと。ネタフルで[N]とついているようなあれです。
以前は個別記事のページではタイトルの最初に[V]というのが付くようになっていました。詳しくはこちらなど→[V]: ブログ名の簡易表記が今静かなブーム?
この短縮表記は一時期すごく流行り、やじうまWatchにも取り上げられたくらいで、今も短縮表記をやっている老舗ブログがけっこうあると思います。VANILLACHIPSでは、短縮表記がブームになる以前から[V]の字を付けてましたので、実はブームの先駆けだったわけです(まー、ネタフルの真似なんですがw)。
それをやめることにしたのは、メジャーなブログなら短縮表記でもどこのブログかすぐわかるけれど、不定期更新で書くテーマもまちまちなマイナーブログだと短縮表記ではいったいどこのブログかわからないから。検索エンジンやソーシャルブックマーク経由の一見さんも多いし、名前を覚えてもらうためにも短縮表記をやめて、VANILLACHPSというブログタイトルが出るようにしました。
今後は、ブログに書くテーマもある程度絞るようにして、このブログのポジションも確保したいと考えています。
【温室効果ガス 30%削減の衝撃】(1)民主案 36万円家計負担増 – MSN産経ニュース
「1世帯あたり年間36万円」。民主党の温室効果ガスの排出削減を実行した場合の家計負担の増加額だ。政府の目標は2020(平成32)年に05年比15%の温室効果ガスの排出削減を目指すものだが、民主党が今回の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)では、20年に90年比で25%(05年比で30%)を削減するという厳しい目標を打ち出した。
温室効果ガスを90年比25%削減する*1と家計の負担が36万円増えるという試算が出されたそうですが、その数字に胡散臭さを感じたので、誰が計算したものなのかちょっと調べてみました。
*1 温室効果ガス削減の基準年は、ここでは90年で統一します。90年比25%減=05年比30%減です。
調べてみると、この試算はそもそも温室効果ガス削減についての日本の中期目標を決める中期目標検討委員会で出されたもので、その試算を出したのは(財)日本エネルギー経済研究所。日本エネルギー経済研究所とはどんなところなのかというと、国際的なエネルギー情勢の分析や、国内のエネルギー市場・産業の動向分析などをするシンクタンクのようです。
それでは、この日本エネルギー経済研究所の役員を見てみましょう。理事長の内藤正久氏は元通産省局長。その他の理事や評議員の名前と肩書きを見ると、石油会社、電力会社、ガス会社のお歴々がずらーっと並んでおります。
ということで、温室効果ガス削減のために高い目標を出されると非常に困る業界の方々でやっているシンクタンクの出した数値が例の家計負担36万円てやつなのでした。
さらに調べてみると、その一方で独立行政法人国立環境研究所も温室効果ガス削減の経済的影響や負担について試算していることがわかりました(資料2-5)。国立環境研究所の試算だと、90年比25%減のケースでも経済成長を確保でき、家計の可処分所得・光熱費への影響はわずかとなっています。
環境NGOの気候ネットワークが、この試算も含めて国の出した中期目標の選択肢のまとめ方について、問題点を明らかにしています(「地球温暖化の中期目標の選択肢」の読み方と問題点:PDF)。
その中から試算に関係するところを抜き出すと、以下のとおり。
ここでの試算では、温暖化対策を強化するほど経済に悪くなるようモデル設計されており、温暖化対策によって生じる新たな産業や雇用の創出を十分に反映できないようにされている。
削減を見込んでいるのは、家庭・業務、運輸部門がほとんどであり、25%削減に近づくほど、野心的に機器や設備を更新することになっている。
一方、発電部門や産業部門の大口排出源は、日本の排出の7 割近くを占めているが、今回の検討ではこれらの部門での削減はほとんど見込まれず、その費用分析もほとんどなされていないというアンバランスがある。
検討会の中期目標の検討では、こうした知見を踏まえて、温暖化対策を取った場合のコストと、対策を取らなかった場合のコストとの対比がなされることはなく、対策を取るときのコストが追加の“負担”として取り上げられるだけに終わっている。
それにしても、国の研究機関の試算ではなく、思いっきり利害が絡んでいるエネルギー業界系シンクタンクの試算の方が、国の側の資料の数字として取り上げられてしまうのだから不思議なものです。そしてそれがマスコミで報道され、一般に流通していきます。マスコミも、ちょっとネットで検索しただけでこれくらいのことがわかっちゃうのだから、数字をそのまま鵜呑みにしないで、少しは調べてみたらどうなんでしょうか。
さて、温室効果ガス90年比25%削減をかかげた民主党が政権を取りましたが、民主党は一方で高速道路を無料化するとも言っていて、政策の整合性が取れてないように思います。高速道路無料化については国民の支持がどれほどあるのかもやや疑わしく、8月17日に発表された朝日新聞の世論調査では評価するが23%、評価しないが67%でした。今後行われる各種世論調査で支持は明らかになってくるでしょう。民主党を中心とした新政権がどんな温暖化対策をやっていくか注意深く見ていきたいですね。
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よくわかる地球温暖化問題 気候ネットワーク 中央法規出版 2009-03 by G-Tools |