今回の記事について説明します。議論好きかつ暇な方はぜひリンク先含めて全部の記事読んでください。
まず、週刊!木村剛(以下「ゴーログ」と記す)に核燃サイクルという遊びにやる金はないんだよ!という記事があって、それに僕が六ヶ所村奇譚という記事を書いてトラックバックしました。
そうしたらトラックバックした記事がゴーログで第4次産業としての選挙[BLOG of the Week]として取り上げられました。この記事に対しmy.Hurusato.orgさんから核燃の解決には、六ヶ所村の決断も必要なのではないか?とのトラックバックがありました。
my.Hurusato.orgさんの記事を読むといろいろ誤解があったようなので、コメントでその点を説明しました。しかし誤解は解けなかったようで、核燃の解決には、六ヶ所村の決断も必要なのではないか? 2という記事でトラックバックをいただきました。
誤解を解けるかどうかわかりませんが、記事を起こしてもう一度説明したいと思います。
核燃サイクル、原子力政策、六ヶ所村の反核燃運動…。どれも現在まで長い歴史があり、何冊も本が書けてしまうくらいのもので、すべてを語るにはブログの記事一つでとても説明できるものではないし、私にはそれだけの能力もありません。
ですから、誤解を受けるのもある意味当然と云えば当然なのかもしれません。ただ、私の主張は「核燃サイクル問題は国民一人一人に関わりのある問題であり、もっと関心を持って、そして世論を動かそう」というものです。ですから、私の記事に納得がいかなくても、そのこと自体は全然オーケーですが、とりあえず核燃とか六ヶ所のことなどについて調べて(検索すればネット上にたくさん情報がありますし、本も出ています)、情報を得てほしいと思います。
では以下で、誤解されていると思われる部分を引用しつつ説明していきます。
第一点:話の主旨について
「無関心な状態への警鐘」という、フダさんのご趣旨は、私なりに理解していた積もりだけれど、あの文章の意味するところでは、「都会のやつらの都合で、おれたちはひどい目にあっている」とフダさんが主張されているように読めてしまうと、私には思えた次第。それが、9月27日のエントリーの趣旨だったと思っている。
ゴーログで引用されていた箇所だけではなくて、全体を見ていただければと思います。ゴーログでは所々省略されています。
私の書いた元の記事六ヶ所村奇譚を読むと、話の流れとしては
六ヶ所村の現状→自分の感想→自分の主張
となっています。
もちろん、「自分の主張」の部分が一番自分が云いたかったところです。それはサブタイトルにもしているとおり、「今こそ世論を動かそう!」ということ。核燃サイクル問題に対する無関心をやめて、ネットから声を上げていこうということ。都会の人を責めることが主旨ではありません。
第二点:核燃サイクルは国の政策。六ヶ所村は施設の立地地域
結局、私がフダさんの文章に申し上げたかったのは、「フダさんのいういろいろなひずみを六ヶ所村から取り去るには、まず六ヶ所村が、そのひずみを取り去る気になる必要があるのではないか?そうでなければ、他の者は手が出せないから」に尽きると思う。
六ヶ所村の住民が反対していない六ヶ所村のことについて、他の地域の住民が強い反対をするだろうか?強い反対をしたとしても、当の立地地域が賛成している限り、大きな世論となるほどの説得力を持てるだろうか?私はその可能性は低いと思う。この点については、もちろん、フダさんには別の見解がおありだと思うけれど。
公共事業の是非について、「無駄だ」という問題提起は、誰にでも出来るかもしれない。ただ、各地の具体的な事業をどうするのかという議論は、立地している地元から議論が起きない限り、大きな流れにはなっていかないのではないだろうか?
まず核燃サイクル(核燃リサイクルではありません)というものについて説明するべきでした。核燃サイクルは単に一地方でやっている公共事業ではありません。以下簡単に説明します。
核燃サイクルとは全国の原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し(「再処理」といいます)、それをまた原発の燃料として使おうというものです。プルトニウムは核爆弾の原料にもなる危険な物質で扱いが難しく、また使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すのは技術的にも大変高度なもので、コストも莫大です。そのため先進各国は軒並み核燃サイクル路線から撤退し、直接処分という選択をしています。
直接処分というのは使用済み核燃料を再処理せず、一回使った後はそのまま処分してしまうというものです。直接処分の方が安全で、かつコストも核燃サイクルの数分の一と考えられています。基本的には核燃サイクルを進める再処理路線か、核燃サイクルをやめる直接処分かの二つの選択肢があります。
(さらに詳しくは六ヶ所村奇譚でも紹介しているH教授の環境行政時評 第18講「キョージュ、無謀にも畑違いの原発を論ず」(EICネット)をご覧ください。あとはネットで検索するなどして調べていただきたいと思います。)
現在、内閣府に設置してある原子力委員会の原子力長期計画(長計)策定会議において、核燃サイクル政策について話し合われています。核燃サイクル政策を堅持するか、直接処分に切り替えるか。ここでの議論の行方が核燃サイクル政策に関係してきます。この会議に影響を与えるには世論を盛り上げるとか、(国政の)政治家に政治的判断をしてもらうなどしないといけません。もちろん政治家も世論をバックにしなければ動けない(or動かない)でしょう。
私の主張は核燃サイクルはやめましょうということで、これは国の政策に対する意見です。六ヶ所村だけでどうこうできることではありません。もう一度云いますが、六ヶ所村は施設の立地点です。国の政策を決める主体ではありません。
六ヶ所村は施設の立地点のためいろいろなひずみが目につきますが、他の地域に住んでいる人にはそれはなかなか見えてこない。しかし、この問題は国民全体に関わる問題で、19兆円(おそらくもっと増えると思われる)というコスト負担はわれわれ一般の電気消費者にかかってきます。また、世界的には脱原発の動きに向かっているのに、核燃サイクルを進めたら日本はますます原発から抜けられなくなってしまうでしょう。
だからこの核燃サイクルの問題についてもっと関心を持ち、世論を動かしましょうというのが、くどいようですが私の云いたいことです。
以下、my.Hurusato.orgさんが挙げた2)、3)、4)について。
2)について:
ただ、都会の住民は、六ヶ所村の施設について、十分な説明さえされていない。十分な説明がないならば、十分な関心なり理解なりは期待できないはず。その点で、都会の住民を責めるのは筋が違うのではないか?
まず自分の住んでいる地域に関心を払うのは、どこに住んでいても、同じはず。都会に住んでいるからといって、全国の事象に関心を持てる人が、多い訳ではないと思う。一国民という立場を超えた関心がないとしても、或る意味当然だと思う。
上で述べたように、核燃サイクルは六ヶ所村の問題ではなく、日本という国としての問題です。
3)について:
例えば、核燃施設について六ヶ所村住民の根強い反対があるとか、施設建設のために、六ヶ所村住民の土地を無理に収用したといった話があれば、「核燃で六ヶ所村はひどい目にあっている」と言えるだろうと、私も思う。
でも、フダさんの文章を読む限り、実態はそうではないように読めてしまう。
(注:「核燃で六ヶ所村はひどい目にあっている」という表現は六ヶ所村奇譚においてしていません。そのように私が主張しているとmy.Hurusato.orgさんには思えたということです。)
「かつては六ヶ所でも激しい反核燃運動があった」と六ヶ所村奇譚でも書いているのですが、説明が足りなかったようです。かつて六ヶ所村ではコミュニティが分断されるほどの激しい争いがあったそうです。しかし、金、権力、暴力などあらゆる手段でもって反対運動はつぶされ、今は表立って反対意見を云えないような状況です。
4)について:
誤解されていると思われる点については既に説明しました。誤解が解ければ、核燃サイクルは六ヶ所村だけの問題ではなく、日本としての問題で、国民一人一人に関わることだとわかっていただけると思います。
追記:
ゴーログにもトラックバックしておきました。
第4次産業としての選挙[BLOG of the Week]
3 Responses for "核燃サイクルは誰の問題?"
核燃の解決には、六ヶ所村の決断も必要なのではないか? 3
核燃サイクルは誰の問題?
VANILLACHIPSさんの10月3日のエントリー。トラックバック、ありがとうございました。
最初に私が差し上げたコメントの書き方が相当に?…
今さっき、古館さんの番組で六ヶ所村のことをやってました。
「ながら」モードだったので
「見る」というよりほとんど「聞く」だけの状態でしたが
「六ヶ所村」と聞いただけで手を休めて
TVに集中していました。
fudaさんの記事を読んでいなかったら
(読む前だったら)
さらりと聞き流していたんじゃないかなー?
まだまだ理解するまでに至りませんが
(やっぱり難しーっ)
今回こうして「ぉ?」と注目できただけでも
私的には一歩前進したような気がします。
勉強させていただきました。
ありがとう♪
NEKOさん、コメントありがとうございます。
こういうネタをこのブログに書くのも、実はいろいろ自分の中で葛藤もありまして。
やっぱり、もともと社会派ネタをやったり、それで議論したりするブログじゃなかったので、こういう記事はあまり読みたくないという人も中にはいると思うんです。
核燃ネタをやってるときにリンクリストの被リンク数が少し減ったということもあって、実際にそのせいなのかはわかりませんけれども、やっぱりそうなのかなーって。少しばかり落ち込みました。
でもこういう記事もちゃんと読んでもらえていることがわかり嬉しかったです。
当面、ときどきは核燃の他、社会派ネタの記事も書くと思いますのでよろしくお願いします。(いずれはそういうのは別ブログ作ってそちらでするようになるかもしれませんが)
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