![]() | 燃料電池のすべてが面白いほどわかる本?環境・エネルギーのことを解決する夢の科学入門 御堀 直嗣 中経出版 2003-03 by G-Tools |
燃料電池のことについて知りたいと思っていたが、入門書とされる本でも技術的な話が多く、どうも取っ付きにくく感じていた。
しかし、この本は技術的な知識があまりなくても手軽に読めて、とりあえず燃料電池がどのようなものか知りたいという人にお薦め。1項目が見開き2ページで、親しみやすいイラストもついていて、燃料電池の全体像がわかるようになっている。
学校の理科の授業でやったように、水を電気分解すると、水素と酸素にわかれる。これの逆に水素と酸素を合わせてやると、電気と熱、そして水ができるわけである。これが燃料電池の発電原理になる。
燃料電池は分散型(オンサイト)の発電システムのため、必要な場所に最適のサイズのシステムを設置でき、電気と熱の両方を供給できる(コージェネレーション)ため、とてもエネルギー効率がよい。「ウェル・トゥ・ホイール(*)の総合効率で、ガソリン車の3倍、ハイブリッドカーに比べても1.5倍優れた値が見込め」るそうである。
*油井から、タンカーでの輸送、石油の精製、ガソリンスタンドへの配送、クルマで使うときまでの効率をすべて含めるという意味。
燃料電池は、発電方式によって5種類のタイプがあって、それぞれサイズや用途が違っており、発電温度が高温のものと低温のものとがある。小型・軽量で家電やクルマ向けのシステムなのは固体高分子型で、これは電極に貴金属であるプラチナを使っているため、そのあたりがコスト的なネックになっているようである。
燃料電池で発電するためには、水素が必要になる。この水素をどこから供給するかが燃料電池普及の課題と思われるが、都市ガスやプロパンガスから水素を取り出して利用するシステムの開発が行われているそうであり、手頃な価格でそうしたシステムが販売されれば、普及は早いかもしれないとのこと。ただし、自動車についてはまだまだ一般的な普及は難しいようだ。
エネルギーの供給も、次第に分散型に移っていくのではないかと思う。時代の大きな流れを見誤ると、後に痛い目を見ることになるのではないだろうか。
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