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2006.06.24

六ヶ所村・核燃料再処理の問題点

 なるべくわかりやすい六ヶ所村・核燃料再処理の説明からの続きです。

 原発の燃料に使うウランは輸入してくるしかないのですけれど、使用済み核燃料から取り出すプルトニウムは「準国産の資源」ということなので、「資源小国」である日本にとっては再処理政策はエネルギーセキュリティー上、重要な政策と国は云っています。

 しかしながら、この核燃料再処理にはさまざまな問題点があります。

1.放射性物質を周辺環境に排出するため、環境汚染が起きる

 アクティブ試験の開始によって、再処理工場からは日々さまざまな放射性物質が大気や海洋中に排出されています。再処理工場から排出される放射性物質による放射線量は最大で年間0.022ミリシーベルトとされており、再処理を推進している側は自然放射線による年間の被曝線量2.4ミリシーベルト(世界平均)に比べ極めて少ないということから、特に問題はないとしています(参考:青森県環境生活部 青森県原子力センター)。

 しかし、再処理工場を操業しているイギリスのセラフィールド、フランスのラアーグでは、小児白血病の発生率が平均の発生率の数倍になっています(参考:原子力百科事典原子力産業新聞)。この件について、両国政府とも再処理工場から出る放射性物質の影響を否定していますが、果たしてそうなのでしょうか?

 これ以上はここでは立ち入りませんが、0.022ミリシーベルトという数字が本当に安全なのか疑問を投げかけているページがあるので、そちらも参考にしてください。

「0.022ミリシーベルトだから安全」は本当か?

2.今後数十年以上にわたり脱原発ができなくなる

 再処理工場は、原発から出る放射性廃棄物からプルトニウムを取り出す施設なので、原発の存在が前提となっている施設といえます。そのため、再処理工場が本格的に動き出すといつまでも脱原発ができなくなります。

 しかし、日本はすでに人口減少時代に突入しており、今後電力需要が大きく下がることが予想されます。多くの企業も参考にしているコンサルティング会社アトラクターズ・ラボの人口予測では、2050年の人口は約9000万人で、2005年の1億2776万人からすると約7割。15-64歳の人口で見ると、2050年は約4500万人で、2005年の約8400万人からすると約5割ということになります(参考:日本の総人口予測結果)。

 こうした社会的環境の変化がある一方、科学技術の進展もあることでしょう。燃料電池や自然エネルギー、コジェネなどの技術が今後ますます発展することが考えられます。

 そうしたことを考え合わせると、現在の総発電量の約3割を担っているという原子力はやがて不要になり、将来的には原発なしでも電力供給がまかなえることも可能だと思われます。それでも再処理を進めた場合、「せっかく再処理をやっているのだから原発を止めるわけにはいかない」となってしまい、持続可能なエネルギーを中心とした社会に移行することができず、未来の可能性を縛ってしまうことになります。

 活断層だらけの地震大国日本で原子力発電を続けていくことは大きなリスクですし、新規の原発立地地域を見つけることはすでに非常に困難となっている状況です。ですから脱原発を考えていかなくてはならないのですが、そのシナリオを作っていく上で、再処理は大きな足枷となっています。

3.莫大な費用がかかる

 再処理には莫大な費用がかかります。電気事業連合会(電事連:電力会社の業界団体)の試算では18兆8000億円かかるとの見込みです(参考:中国新聞記事)。これは再処理推進側の出した試算ですから、低めに見積もられている可能性があり、実際にはさらに多くの費用がかかることも考えられます。六ヶ所の再処理工場も、もともと7000億円の見積もりが、結局は2兆1400億円(2004年7月時点)となっており、実に当初の3倍の費用です。

 こうした費用は当然、電気料金や税金などの形でわれわれが負担することになります。

4.プルトニウムを持つことでリスクが高まる

 核兵器に転用可能な物質ということで、プルトニウムを狙う人が出てくるかもしれません。あるいは再処理工場が攻撃目標となる可能性もあります。

 朝鮮半島有事の際は、三沢基地や原子力関連施設が集中する青森県は北朝鮮軍にとって重要な攻撃目標になると、北朝鮮の元特殊部隊将校が東奥日報のインタビューに答えています(参考:東奥日報記事)。それによると、ノドンと爆撃機による攻撃の後、特殊部隊が自爆攻撃を仕掛けるそうです。

 北朝鮮軍ではなくとも、テロリストに狙われることも考えられます。そうした軍事攻撃、テロ攻撃に再処理工場は耐えられるのでしょうか。また、そうしたリスクを負ってまで再処理を進める必要はあるのでしょうか。


関連記事:
脱原子力社会の選択 - 新エネルギー革命の時代(2006.07.18)


478850555X脱原子力社会の選択 - 新エネルギー革命の時代
長谷川 公一
新曜社 1996-07

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