前の記事: 「頑張った人が報われる社会」はおそらく格差社会を強化する方向に働く
次の記事: STOP ROKKASHOナイト 参加レポ(2)

2006.06.05

STOP ROKKASHOナイト 参加レポ(1)

060604rokkasho.jpg

 6月4日、明治学院大学横浜キャンパスにおいて「STOP ROKKASHOナイト〜坂本龍一さんを囲んで」というイベントがあり、行ってきました。坂本龍一さんはstop-rokkasho.orgというサイトを5月17日に立ち上げ、ポッドキャストで六ヶ所村の核燃料再処理工場の危険性を訴えています。

-stop-rokkasho.org
-坂本龍一のポッドキャスト、世界に向け配信(ITmedia News)
-六ヶ所村奇譚(ブログで以前六ヶ所村の問題を取り上げたときの記事。2004年9月17日)

■六ヶ所村の核燃料再処理工場とは

 青森県六ヶ所村には使用済み核燃料の再処理工場があり、そこで現在アクティブ試験が行われています。アクティブ試験とは実際の使用済み核燃料を使った稼働試験で、この後で本格操業が予定されています。

 そもそも再処理工場とは何をするところなのかというと、原発から排出された放射性廃棄物を処理して、プルトニウムを取り出す施設です。プルトニウムは高速増殖炉という施設で新たに燃料として使うことが想定されています。

 しかし、核燃料の再処理についてはさまざまな問題点があります。思いつくままに挙げると

1) 再処理工場から大気や海中に排出される放射性物質によって周辺環境が汚染される。
2) 重大事故が起きた場合の被害が甚大である。
3) 莫大なコストがかかる。
4) プルトニウムは極めて毒性が強く、核兵器にも転用可能な物質のため扱いが難しい。
5) 高速増殖炉のメドが立ってない。

といったあたりでしょうか。また、再処理工場は原発の存在を前提とした施設なので、再処理工場が本格的に稼働することで逆に、原発がこの先ずっとやめられなくなることが予想されます。つまり、仮に2050年までに日本の原発をゼロにしようという社会的合意が得られれば、そうした社会を作ることは技術的にも十分可能であると思うのですが、再処理工場が本格稼働してしまうと、「再処理をやっているのだから原発をやめるわけにはいかない」となってしまい、永遠に原発をやめることができなくなってしまうわけです。

 自分はこれが一番の問題であると考えてます。


■というわけで、イベントレポ

 いろいろ会場でメモしてきました。当然、メモしきれなかった部分もありますし、メモが間違っている部分もあると思います。正確性はいっさい保証しないので、その点はご注意ください。

 会場は見た感じ300人ほどが入れる教室で、イベント終了時に見回したら席はけっこう埋まってました(自分は真ん中へんに座ってた)。来ていた人の8、9割は20代前半くらいの若い人たちで、学生が多かったんじゃないかな。残りは原子力問題に関心のある人たちのようで、40代から60代くらいのおじさんおばさんたちでした。男女比は半々くらい。18時開始で、終了が19時半でした。

 僕の隣は外国人の男性で、話しかけられたのでちょっと話をしたら、原子力資料情報室のスタッフをしているという方でした。原子力資料情報室は原子力問題に関するシンクタンク的NGOです。彼は海外向けに情報を翻訳する仕事をしているとのこと。自分たちが開催するイベントでは若い人はこんなに来ないよとぼやいてました。

 ステージには席が6つ用意され、左からミュージシャンのOtoさん、ピースボートの小野寺愛さん、ナマケモノ倶楽部世話人の辻信一さん、坂本龍一さん、サステナのマエキタミヤコさん、明治学院大大学院生でブーメランネットという学生中心のNGOをやっている高橋さん。途中で未来バンク事業組合の田中優さんが坂本龍一さんの右隣に入りました。

 ステージ上のスクリーンには、stop-rokkasho.orgの画面が映し出されてました。

 だいたい辻さんが進行役で、坂本さんのお話を聞くって感じ。

 最初に司会の女性から、ステージには上がってないけど今回のイベントの趣旨に賛同して会場に来ている準ゲスト的な方々の紹介がありました。全員をメモしきれなかったけど、メモした範囲で書くと、大地を守る会の藤田さん、非電化工房主宰の藤村さん、田中優さん(最初はステージ上にいなかったので)、『放射能で首都圏消滅』著者の古長谷稔さん、環境エネルギー政策研究所の大林ミカさん、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん、スロービジネススクール校長の中村隆市さん、hi-posiのもりばやしみほさん、サーファーの中島修一さん、ラッパーのカクマクシャカさんといったところ。

 まずは辻さんからあいさつがありました。以下、メモを元にした箇条書き。

-今回はパーティーのつもりでこのイベントを開いた。
-若い人に六ヶ所の再処理工場の問題を知ってほしかった。
-坂本さんが始めたサイトに連なるムーブメントを作っていきたい。

[壇上にいる人たちの自己紹介]

坂本

-本当は原発の問題には関わりたくなかった。
-しかし、あれ(放射性物質による環境汚染の問題)を聞いてしまっては関わらざるをえない。
-聞いてしまっては仕方がない。
-でも、こんなことが起こっているのに知らない人が多すぎる。それが怖い。
-日本がこんなに静かなら世界から呼びかけようと思った。
-サイトは今のところ2人くらいでやっている。
-どんなにいいことを言っても、伝わらないとだめ。
-だからポップなウェブサイトを作った。
-イギリス人のデザイナーに頼んだ。彼のアシスタントの日系ブラジル人が作ってくれた。
-こんなこというのもなんだけど、イラストの原発くんもかわいい感じ(笑)

-クリエイティブコモンズのことについて話してもらえますか?

坂本

-このサイトは六ヶ所の再処理工場のことを簡単に知らせることができる。
-アートや音楽も入っている。
-これらの作品は自由にダウンロードしてもらい、自由に切り刻んでもらう。
-アーティストたちに勝手に改変してもらい、ホームページを持っているならそこで公開してもらって、広めてもらう。
-クリエイティブコモンズの考え方が気に入った。
-アーティストが作品を作ったら、それでお金を取りたいという場合もあるし、とにかくばらまきたいという場合もある。その中間もある。
-著作権は英語でcopyrightだが、著作物をどんどん使ってくださいというcopyleftという考え方もある。
-作り手自身が著作権のあり方を選べるのが気に入った。
-stop-rokkasho.orgでは作品を商用目的で配布するのはだめということだけを条件にしている。

[スクリーンにクリエイティブコモンズのサイトが映し出される]

坂本

-クリエイティブコモンズが今回のキャンペーンを気に入って、サイトのトップページで紹介してくれている。
-アップルのiTunesミュージックストアでもトップページにstop-rokkashoのバナーをつけてくれた。
-おかげで認知が高まった。
-iTunesミュージックストアのポッドキャストでPoliticsの部門ではアメリカ、イギリスで1位になった。
-SUGIZOがShing02とリミックスを作った。
-3人が作って、1人が次の3人に広めてくれるような流れができるといい。
-僕はラップもできないし、歌も下手だし、反原発ソングみたいなのを作って歌っちゃうとそれは違うよなと思って、こういう仕組みを作った。

-ちょっと聴いてみますか。

[Shing02さんの作った曲を聴く。サイトの紹介など]

-Watchのコーナーには写真家の森住卓さんの写真もあります。スライドショーになってますね。これはイラクの劣化ウラン弾の被害の写真です。
-高橋悠治さんの作品は?

坂本

-彼は国宝級の作曲家なんですけれど、譜面で送ってきました。
-おもしろいことにこの曲を見て、笙(しょう:雅楽で使われる管楽器)のパートだけを録音して送ってきた人がいます。

[このへんちょっとメモしきれず。田中優さんに話が振られる]

田中 [技術的な話が多く、メモしきれなかったところは話のテーマだけってことで]

-再処理工場から排出される放射性物質であるヨウ素129やヨウ素131の話。
-海藻が放射性物質を吸収することと内部被ばくの危険性について。
-胎児への影響が大きいこと。
-アメリカで原発が止まったらその地域の死産の率が改善したという話。
-セラフィールドから出る放射性物質は北極まで撒かれる(イギリスのセラフィールドにも再処理工場がある)。その半径で考えると六ヶ所から出る放射性物質の広まる範囲は日本全部。
-イランの核濃縮は認めず、日本はやるというのは二重基準だ。
-プルトニウムを保有することになるので、アメリカやアジア諸国から(日本は核兵器を持つのではないかと)懸念されている。
-プルトニウムはテロリストから狙われる危険がある。

坂本

-先月、六ヶ所の再処理工場で作業員がプルトニウムに内部被爆した。(JCOみたいに)まだバケツでも使っているのではないか?

田中

-作業員もプルトニウムの危険性をよく知らないのではないかと思う。

[参加レポ(2)に続く]

前の記事: 「頑張った人が報われる社会」はおそらく格差社会を強化する方向に働く
次の記事: STOP ROKKASHOナイト 参加レポ(2)

Trackbacks

このエントリーのトラックバックURL:

(このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは反映されないシステムになっています)

この一覧は、次のエントリーを参照しています: STOP ROKKASHOナイト 参加レポ(1):

» STOP-ROKKASHO part2 (坂本龍一のコメントなど)
以前書いた記事 STOP-ROKKASHO team6(坂本龍一、shing02... [続きを読む]

Comments (2)

レポート非常に参考になりました。
ブログの方で引用させてもらっています。

他の記事も興味のあるものが多かったのでRSS登録させていただきました。

これかも更新楽しみにしています。

>takahiroさん

ども。今後ともよろしくです。

Post a Comment

Information

Movable TypeからWordPressに移行しました。今後のブログの更新はこちらで行います。

VANILLACHIPS

Categories

Monthly Archives

RSS
track feed