4478307059 ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営
ダイヤモンド社 2007-01-27

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 ドラッカーによる非営利組織論。メッセージはシンプルで明確。重要なことは繰り返し強調されます。非営利組織にかかわる人にとって必読の本。

 本書は全部で5つのパートからなり、それぞれⅠ.ミッションとリーダーシップ、Ⅱ.マーケティング、イノベーション、資金源開拓、Ⅲ.非営利組織の成果、Ⅳ.ボランティアと理事会、Ⅴ.自己開発というテーマになっています。各パートの後半にはドラッカーと非営利組織のリーダーとの対話と、そのパートのまとめがあります。
 

ミッションは行動本位

 非営利組織にとってミッションが重要であるということは常々言われることですが、そのわりにミッションはいかなるものであるべきかということまでは、なかなか話が及ばないことも多いように思います。

 ドラッカーは次のように述べています。

 ミッションは行動本位たるべきものである。さもなければ単なる意図に終わる。ミッションとは、組織に働く者全員が自らの貢献を知りうるようにするものでなければならない。

 そして、シンプルで明快なミッションの例として、ある病院の救急治療室のミッションが紹介されています。

「われわれのミッションは患者を安心させることである」

 このようにシンプルで明快だと、組織に働くスタッフも何をなすべきかはっきりしてきます。患者を安心させるためには、患者の容体を早く正しく把握する必要があります。そこから導き出された目標が「救急治療室に運び込まれる者は必ず一分以内に診察される」。こうしてミッションが正しい行動をもたらすわけです。

 ミッションに織り込まれるべき三つの要素として、ドラッカーは機会、卓越性、コミットメントを挙げています。まず第一に顧客の求めていることと合っているかどうか、機会すなわちニーズを知る必要があるということ、第二にその機会は組織の持っている強みに合っているか、卓越しているかどうかということ、第三に何を大事な価値として置き、コミットメントを得ていくかということが重要になります。
 

その他、これは!と思ったこと

 こんな感じでドラッカー節が全編に渡り炸裂していて、あちこち付箋貼りまくりだったのですが、その中でも特にこれは!と思ったことを抜き出してみます。

・廃棄のシステムをつくる

 イノベーションのための戦略を成功させるためには、機能しなくなったもの、貢献しなくなったもの、役に立たなくなったものを廃棄するシステムが必要である。
(中略)
 これを行わないかぎり、いかなる組織といえども、肥大化の挙げ句、重要な資源を成果の望みえないところへ注ぎ続けることになる。

 非営利組織の成果に対する評価は、企業とは違い、利益によって測られるのではないため、言いようによっては何とでも成果があったことにしてしまうことができます(それではいけないので、妥当な評価方法を見つけることが大事なのですが)。

 そのため、あまり成果を上げていない事業が「それも大事だから」というような理由で残ってしまうことは往々にしてあります。その事業につぎ込んでいる労力や時間、お金を、別の事業に使った方が成果が上がるにもかかわらず、それに気づかないのです。

 それでドラッカーも廃棄のシステムをつくれと言っているのですが、残念ながらその具体策については述べてません。やっぱり事業仕分けみたいなのが必要なのかな。

・強みへ集中せよ

 成果をあげる道は、尊敬すべき上司、成功している上司をまねることではない。たとえ私の本であっても、そこに載っているプログラムに従うことではない。指紋のように自らに固有の強みを発揮しなければ成果をあげることはできない。なすべきは自らがもっていないものではなく、自らがもっているものを使って成果をあげることである。

 自分なんか特に、他人ができて自分ができないというのは悔しいので、どちらかというと弱みの克服の方に力を注ぐタイプです。しかし、組織で働くにあたっては、それぞれの強みを最大限に活かすことで、組織の力も最大化されるわけですよね。もっと自分の強みに集中していかないと、平凡化してしまうよなと思いました。

・自分は何によって憶えられたいか

 私が一三歳のとき、宗教の先生が「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。すると、「答えられると思って聞いたわけではない。でも五〇になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」といった。
(中略)
 今日でも私は、いつもこの問い、「何によって憶えられたいか」を自らに問いかけている。これは、自己刷新を促す問いである。自分自身を若干違う人間として、しかしなりうる人間として見るよう仕向けてくれる問いである。

 簡単に答えられる質問ではないけれど、問うていかなくてはならない質問ですね。自分の生きた意味は自分でつくっていかなきゃ。

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