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脱原子力社会の選択 – 新エネルギー革命の時代 長谷川 公一 新曜社 1996-07 by G-Tools |
初めてこの本を読んだのは5、6年ほど前のこと。最近少し読み直してみたが、改めて読むとなかなか新鮮である。
著者は環境社会学者で、この本ではアメリカのランチョセコ原発の事例が紹介されている。事故続きの原発が住民投票によって閉鎖され、原発を操業していたサクラメント電力公社(SMUD)も市民のための電力会社へと姿を変えていくというストーリーだ。
SMUDは原発の閉鎖後、需要にあわせて電力を供給するのではなく、需要の方をコントロールするという需要側管理(DSM)という手法を取り入れる。電力設備は増やさず、その稼働率を高めて経営効率を良くするという考え方である。電気は一日のうちでも需要の変動が大きく、また季節によっても変動がある。そのため、需要のピークを抑えることができれば無駄な設備を造らなくてすむ。
SMUDが実際にやった主なプログラムを挙げると…
こういうことをしても、設備の稼働率を高められたことで長期的には経営的にペイしたそうだ。そして、35万キロワットの夏期最大需要電力の削減に成功したということである。
この本では日本で脱原発を図るにはどうすればいいかということについても、具体的なデータに基づいた案が、上記の需要側管理(DSM)の他、いくつか紹介されている。その中でもユニークなのが電力自由化の案である。
以下、著者の案を簡単に紹介する。
これが実現すれば、自然エネルギー専門の発電会社も出てくることだろう。消費者はいくつかの発電会社から選択できるようになり、原発による電気ではなく、自然エネルギーを選ぶ人が増えることも十分考えられる。また、競争原理が持ち込まれることで、コスト高の原発は発電会社からも敬遠されるようになるだろう。
そのねらいは、消費者自身が発電会社のサービスとポリシィを選べるようにして、巨大電力会社体制のもとで失われていた消費者主権を回復することにある
巨大電力会社はスポンサーとしてマスメディアにも大きな影響を及ぼし、結果として電力会社に批判的な内容は報道されづらいという現状もある。そうした状況を変えるためにも、ぜひ電力の自由化は実現してほしいところである。
「資源小国の日本には原発が必要」とさかんに喧伝されているが、それが果たして本当かどうか確かめるのに有益な本。
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