先日、英国サードセクター経営者協会(ACEVO)のCEOのスティーブン・バブ氏のお話を聴いてきました。
サードセクターと言っても、日本でこれまで使われてきた第3セクター(国や自治体と民間が合同で出資・経営する企業)とは意味合いが違います。ここでのサードセクターは、行政セクター、企業セクターと並ぶ3番目のセクターとしての市民セクターとして、具体的には特定非営利活動法人や社団・財団、社会福祉法人、協同組合、学校法人、宗教法人、社会的企業などを含めた、社会的課題の解決を目的とする組織群を指します。
さて、バブ氏によると、イギリスではブレア政権下でNPOが発展したそうで、公共サービスの担い手としてNPOがしっかり位置づけられたとのこと。あまりイギリス政治のことなど詳しくなかったので、家に帰ってからネットで少し調べてみました。
イギリスではサッチャー、メージャーの保守党政権下で小さな政府・構造改革路線が進められ、その一方でイギリスでも格差が深刻な問題となったようです。
そこで1997年に登場したのがブレアによる第三の道路線。これは、サッチャー流の市場原理主義でも、ゆりかごから墓場までの大きな政府でもなく、「市場の効率性を重視しつつも国家の補完による公正の確保を指向する」新しい道ということで第三の道。
サッチャー時代には公共サービスにも競争原理がどんどん持ち込まれたわけですが、ブレアは公共サービスの担い手として民間非営利セクター(=NPO)との連携をはかるようになります。国が弱者を手当てする「依存型福祉」よりも、社会参加への動機付けを支援する「自立型福祉」をめざしたとのこと。
日本でも格差の拡大を受け、先の衆議院選挙では与野党双方から小泉構造改革路線への批判の大合唱が起きました。小泉内閣の閣僚だった麻生さんが「行き過ぎた市場原理主義からの決別」というようなことを言うくらいです。まー、自民党も構造改革に乗り気じゃない人がもともといっぱいいたんでしょうけれど。
そして、総選挙の結果、民主党の圧勝。民主党政権の誕生が秒読みとなっています。しかし、民主党は小泉改革を批判していたけど、それでどういう方向にこの国の社会を持っていこうとしているのかが自分にはまだよくわかりません。岩手県知事の達増さん(民主党)は、「民主党は第三の道を目指す」というようなことを新聞のインタビューで答えていましたが、達増さん以外の民主党の人が第三の道とか言っているのをこの選挙期間中耳にしませんでしたし、小さな政府とも大きな政府とも聞きません。
小さな政府でも大きな政府でもなさそうだけど、かといって第三の道でもなさそうってところ? 政治は専門じゃないのでよくわかりません。どうなんでしょう。
民主党の政策indexでは、「NPO活動の促進・支援税制」ということが書いてありました。しかしながら、広義のNPO(サードセクター)に対して民主党が明確なビジョンを持ってるようには今のところ見えません。むしろ、日本のサードセクター側が社会づくりについてどういう意思を持ち、何ができるかを、新政権に対して示していかないといけないんでしょうね。
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ブレア時代のイギリス (岩波新書 新赤版 (979)) 岩波書店 2005-11 by G-Tools |
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第三の道―効率と公正の新たな同盟 Anthony Giddens 日本経済新聞社 1999-10 by G-Tools |
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