4761523549 環境先進国ドイツの今―緑とトラムの街カールスルーエから
学芸出版社 2004-12

by G-Tools

 著者はドイツ南西部カールスルーエ在住の環境ジャーナリスト。副題が「緑とトラムの街カールスルーエから」となっていて、カールスルーエに住む人々や市当局の環境への取り組み・実情が紹介されています。

 カールスルーエは人口が約28万人で、お城を中心に道路が放射状に延びている街。最高裁判所や憲法裁判所もあります。自分も10年ほど前にドイツに1年間滞在していたことがありますが、帰国直前にこのカールスルーエで皆既日食を見ました。

 さて、本書で取り上げられているのはビオトープ、クラインガルテンといった街の緑化や、トラム、カーシェアリングなど都市交通、そしてごみのリサイクル、自然エネルギー等の話題です。ひとつひとつを見れば、日本でも先進事例として取り組まれているものもあるし、そういう意味ではそれほど目新しさはないかもしれません。しかし、これらが一つの町の中で普通に行われているというのがやはりすごいですね。自治体や市民レベルでも、やろうと思えばかなりのことができることを示しているし、まちづくりの中に環境の視点が入っていることでより成果を挙げているように思います。

 日本とドイツとでは社会環境も違うので、ドイツでやっていることをそのまま日本でというわけにもいかない場合も多いですが、本書でも紹介されていた生ごみのバイオマス利用は日本でももっとできるんじゃないのかな。

 環境先進国ドイツとは言っても、ひとりひとりの環境意識が高いというわけではありません。むしろ、社会の仕組みが環境負荷が低くなるようになっているというのが、実際にドイツにいたときの実感です。

 未来の技術開発や精神主義的道徳論に頼るのではなく、今ある技術や方法でできることについて、社会の仕組みとして実現していくということをもっとドイツから学べるように思いました。

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