内視鏡で女性患者にわいせつ容疑、53歳外科医を逮捕 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 女性患者にわいせつな行為をしたとして、警視庁は、容疑者(53)を強制わいせつの疑いで逮捕したと7日発表した。

 逮捕は6日。同庁幹部によると、容疑者は2004年5月28日午後、当時勤務していた豊島区内の総合病院で、大腸の内視鏡検査を受けた20歳代(当時)の女性の陰部に、内視鏡を入れるなどのわいせつな行為をした疑い。

 容疑者は「手元が狂っただけだ」などと容疑を否認している。

 これは5月7日のニュース(容疑者名は実名が出ていますがこのブログでは省きます)。

 最初は日々たくさん流れるニュースの一つとしてさして気にも留めていませんでした。しかし、現役の医師が「こういうミスはありうるし、自分も一度このミスをしたことがある」とあるメーリングリストで書いていたので、気になってネットで調べてみました。本当にそうなら、他の医療関係者もこの件で何か発言しているだろうからです。

 外科医の方のブログ↓

内視鏡の誤挿入(ザウエリズム 【Zawerhythm】)

 5年前に大腸内視鏡を腟内に挿入したとして、強制わいせつの疑いで数日前に某医師が逮捕され、容疑段階で顔写真、自宅、実名全てが報道されました。情報がほとんど無いので、僕にはこの医師がじっさいにわいせつを行ったのか否かよくわかりません。ただ、一般の方々は、故意以外に挿入部位を間違うことなどありえないという反応をしているようですが、実のところ、肥満などで肛門がわかりにくかったり、緊張して肛門に力が入るなどして、内視鏡が滑って腟内へというケースは、時々耳にすることであって、実際のケースを何件か知っています。

 Yahoo!知恵袋で、この事件に対する質問への回答↓

患者に わいせつ行為で逮捕! – Yahoo!知恵袋

私は消化器内視鏡学会の専門医です。その手のプロということです。内科医ですのでその外科の先生よりも数多くの症例を経験しているのでは?と自負しています。
皆さん、肛門と膣を間違うはずがないと思いますか?
産婦人科の診察では大また開きでそれは間違うはずがありません。しかしわれわれの検査は、性器どころか肛門もよく見えないような、うしろわれパンツを患者にはかせて、左横向きにひざを抱えるような姿勢で寝ていただいてその隙間から内視鏡を挿入し、肛門に挿入するのです。
肛門を見ながらやるかって?私は見ておりません。内視鏡の映像が映っているモニターを凝視していますから。
検査そのものは肛門も(当然性器など見えず)よく見ないまま開始するのです。左横向きで、両足はぴったり閉じているのです。これで内視鏡を肛門に入れようとしたときに、その肛門が思ったより後ろつきであったとします。内視鏡は肛門と膣との中間地点に接触して、(潤滑剤を塗ってあるので)つるっと性器のほうに内視鏡が入る可能性は、ないわけでは無いとおもいます。ちなみに私は2名に誤って挿入してしまった経験があります。(20年ぐらい前のことですが)
誤挿入の時には一瞬ではわかりません。丸い子宮頚部がみえてやっと気がつきます。この間10秒は経過します。

 あとこちらのブログのコメント欄にも医療関係者とみられる方からそういうミスはありうるとのコメントがたくさんついています。

手元が狂う状況について – 元検弁護士のつぶやき

 これとは逆に、医療関係の専門家とみられる方が「こんなミスはあるはずがない」と発言しているのも少数ながら見つけましたが、その方たちは内視鏡検査の経験は少ない(もしくはない)ように見受けられました。よって内視鏡検査での、こういうミスはありうると考えてよいと思いました。

参考→「専門家」の定義とは何なのか: ぐり研ブログ

 このミスが可能性としてありうることと、故意にやったかどうかはまた別なので、今回の事件が冤罪かどうかはまだ判断できません。今後の推移を見守りたいと思います。内視鏡学会あたりからも、何か意見表明があるかもしれません。

 ブログでこの件について書いている人たちのほとんどは、「なんて破廉恥でけしからん医者だ、肛門と膣を間違えるわけがないだろ、手元が狂ったなどとはとんでもない言い分だ」という論調ですね。報道されたとおりに受け取れば確かにそうです。自分も、医師の方からのメールを読まなければ報道のとおりにこの事件を理解したことでしょう。メディアリテラシーを高めるというのは、なかなか簡単にはいかないですね。

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