4/11(金)の報道ステーションでの核燃料再処理工場特集における古館さんとコメンテーターの月尾嘉男東京大学名誉教授(工学博士)とのトークをテキストに起こしたものです。

 月尾氏は、「こういう施設(再処理工場)ができずに原子力発電所がうまく循環しないと、電力が止まるかもわからない」ということを言ってますが、それは認識違いというもので、再処理工場がなくても電気が足りなくなって困るということはないのです。

 だって、再処理工場は発電するわけでもないし、原発にとって必須のシロモノでもない。プルトニウムはすでに余っているし、高速増殖炉が商用稼動するのはうまくいっても40年後。今、再処理工場を動かさなければ困る理由は実はない…ということを特集でやっていたと思うのだけど、月尾氏はそこのところをうまく理解していなかったようです。特集の内容がよかっただけに月尾氏のコメントのその部分が残念でした。


古館(以下F) 月尾さん、核燃料サイクルのサイクルになってませんよね。

月尾(以下T) そうですね。

F 引き受け先がないわけですから、今現在は。

T 実はここ、7、8年前に見学に行ったことがあるんです。その頃は工事中なんでオープンで、どうぞ見てくださいって感じだったんですけどね。そこへ2兆2千億円、15年間投じたってことで、2兆2千億って本四架橋が2本以上架かるということですよね。

F プルサーマルというのは、もんじゅの前のつなぎ策ということですが、どういうふうに思われますか、今止まってますが?

T 一部はね、MOX燃料という、一部を使ったものがもう日本の原子力発電所の軽水炉でも使われてるんですが…

F プルトニウムとウランを混ぜたものですね。

T それは使われているんですが、ほんの微々たるものでね、言っていたように、高速増殖炉でいずれ使うだろうということなんですね。しかしこれ高速増殖炉、世界の主要国、ほとんどやめちゃったんですね。日本もなんとかがんばっても40年先にしかできない、どうするんだって話になるんです。廃棄物処理するためには一部必要かもわからないという程度のことだと思います。
 もうひとつ考えないといけないと思ったのは、これ、周辺の住民にどうかということで、日本はあまり情報公開進んでいなくて伝わってこないんですが、アメリカのワシントン州という一番左上の州の…

F シアトルのある…

T そうです。あそこにハンフォードという小さな町がありましてね。そこで広島に落とした原爆の濃縮ウランを造ったり、長崎に落としたプルトニウムを造っていた工場があるんです。その周辺、実は大変な汚染があってね、多くの人が病気になったり、奇形が生まれたりといった問題があって、そういう問題が伝わってきてないんです。
 そうすると、この周辺の方、けっこう無責任によく出てますねとか排気の中に混じってますねと言ってましたけど、そういう問題が起こる可能性もある。いざというときにいったいどうするかというのをね、考えないといけないというのがもうひとつだと思うんです。
 それから、じゃあもうひとつの別の選択はね、こんな危険なものやめろという感想があると思うんですが、残念ながら、今、日本の電力の26パーセントは原子力なんですね。エネルギー全体で言っても11パーセントが原子力です。当面代わるものはない。太陽電池だって言っても、数パーセント行くかどうかというくらいしかない。そうすると、やめるのであればね、われわれも覚悟しないといけないのは、例えば、今、東京電力もぎりぎりまで施設を使って供給してますが、止まるかもわからないと。
 こういう施設ができずに原子力発電所がうまく循環しないと、電力が止まるかもわからない。そこまで犠牲を考えても、つまり、われわれ覚悟をしてこういう問題に対処するというようなことを考えないといけないと思います。

F やめたドイツ、フィンランドは覚悟したというふうに、国柄まったく違いますけど、ある種見ていいわけですか?

T ドイツなどもう人口減るからということもあるのですが、先ほどね、おかしいなと思ったのが、1000年先と言われたのですが、1000年先って日本も何人いるかというような状態ですよね。100年先で半減ですから、1000年先を考えてというのは大変矛盾した話でね。
 やっぱり、ぜひせいぜい数十年までのことをきちんと長期計画で考えてほしいと思いますよね。

F やめない覚悟に日本は舵を切るのであれば、徹底した安全管理と情報公開、これが前提になるということが感じられます。